2025.06.15
6月上旬
3月の長期 甑島 ショア釣行の翌日、いつものようにテニスに向かいました。 ここ最近は山登りや磯歩きを続けていたため、体は十分に慣らされていると思い、準備運動もそこそこにプレーを開始。 ところが突然、右足ふくらはぎにものすごい衝撃と激痛が走り、肉離れを起こしてしまいました。 (どうやら疲労の蓄積が原因だったようです)
完治まで約2か月半。長いリハビリ期間を経て再起を確認する為、再びショア釣行に挑むこととなりました。
肉離れの療養期間中も、オフショアの釣行を重ねながら徐々に体を慣らしていきました。 以前の感覚が戻りつつあるとはいえ、甑の磯は決して油断してはいけない場所です。 今回はエントリークラスの磯から再スタート。慣れた磯とはいえ、何かあってからでは遅い。 釣り仲間でもある地元の浜辺さんには、毎回必ず連絡を入れるようにしています。
凪の日にはタマンやスジアラを狙い、「BlackDimension103BAIT Custom」で試釣する。強風で海が荒れる時は、ヒラスズキを「103スピニング」で。どちらのシチュエーションでも、「BlackDimension103MH」は信頼できる一本。どんな状況でも、このモデルで挑む釣行となります。
6月。熱帯気候のような蒸し暑さがまとわりつく道中。 草木は更に生い茂り、磯へのアクセスは容易ではありません。
すこし風裏になる一ヵ所目は、ノーバイトでした。
2カ所目
湾奥に広がる白泡のサラシ。 お気に入りの「原工房 Nagare115」をキャスト。
雰囲気は抜群──今にも出そうな気配が漂う。 しかし、なかなか口を使わない。タイミングなのか、こちらの操作なのか… 何かが揃うとバイト! いる──確信に変わる。 そして次のタイミングでヒット!
Tackle
Rod : BlackDimension 103MH
Reel : #stella #5000h
Line : #sunline ult 3
Leader : sunline syrtemshockleader 50lb
Lure : #原工房 #ナガレ #nagare 115
Hook : #gamakatsu #rbh #fimohook h
(フックは必ずHクラス以上を装備)
サイズは小型ながら、嬉しい一本。 普段は130サイズをメインに使っていますが、今回は「Nagare115」を投入。 このルアーは水絡みがやや弱く、荒波や複雑な潮流の中では少し扱いづらい印象です。 ただ、大きなウネリの中や、マルスズキ狙いには適していて、状況次第では頼れる一本になりそうです。
さらに移動。外向きの大きなウネリと複雑な流れがぶつかり合うポイントへ。 足場は高く、潮の動きも入り組んでいる。しかも、厄介な横風がラインを煽る。 こんな状況で頼りになるのが「SASUKE130 剛力」。 風にラインを引っ張られながらも、瀬の際にルアーが差し掛かった瞬間── 勢いよく、元気なバイト! 荒れた海の中でも、しっかりとアピールしてくれるルア-です。特に甑では頼りになります。
60後半ですが、筋肉質で元気の良い個体でした!
このサイズだと、足場が高い磯でも抜き上げる事が出来、より安全に楽しめます。
次は、サラシが広がるシャローエリア
遠投の必要性があり、あまり潜り過ぎないルアーでありながら、複雑な流れや風により取られるラインでもしっかり水を噛んでくれる「SASUKE140真裂波」を使用。
沈み瀬の近くでのヒット!
小型でしたが嬉しい一本です。
続いては、こんな磯。
右後方に障害物がある場合や、風でラインが煽られるのを避けたい場面、さらにはトレースコースの選択など──考慮すべき要因は多いものです。 そんな中、左腕でキャストできると、オフショア同様に非常に重宝します。 立ち位置や風向きに縛られず、柔軟に攻められることで、釣りの幅がぐっと広がります。
ここでは試しに、「原工房 Boots 115」を投入。 ほぼトップウォーターのような使い方で、サラシの切れ目を丁寧にトレースしていく。 すると──白泡の境目から、姿を現し鋭いバイト! そのままフッキングが決まり、ヒット! 狙い通りの展開に、しかも大好きなルアーでのヒットだけに思わず笑みがこぼれます。
甑島──確かに魚影は濃いところ。 しかし、経験した人ならわかるはず。そう簡単には釣らせてくれない。 ボウズの日もあるし、逆に何でも食ってくる日もある。 同じところを叩いてもほんの些細なことで釣果に差が出る、そんな繊細な釣り。 だからこそ、いつまでたっても面白い。
難しさ、爽快感、そして苦しんだ末の喜びと達成感── 自分の中ではGTゲームと並ぶ、最高の釣りです。
宿の大家さんから「ヒラスズキが欲しい」と言われていたので、1本持ち帰ることに。 以前なら2本担いでも、崖を一気に登って車までノンストップでした。 しかし今回は、想像以上に体力の衰えを痛感。 途中、4〜5回は地べたに寝転がって休憩しながら、車までの道のりに1時間近くかかった。 6月の蒸し暑さもあったとはいえ、これはまずい。 これを機に、テニスも再開して体力づくりに励むことにします。
たとへ体力に自信があったとしても、過酷な磯へのアクセスは慎重に判断しています。 特に夏場は気温・湿度ともに高く、装備を背負っての移動は危険を伴います。 私の場合、安全にアクセスできるのは「6月初旬まで」が限界のように感じています。
その後は、気温が落ち着き始める「11月頃から」が再び磯に立てるタイミングだと思います。
宿に戻ると、大家の“またしオジサン”とそのご友人たちが、すでに宴の真っ最中。 この宿は、大家さんが飲食をする土間まで自由に出入りし、差し入れを持ってきたり、一緒に飲んだり──そんな温かくてフレンドリーな一軒宿。(寝床には入ってこられませんのでご安心を)
またしさん、いつもありがとうございます!

そして、宿から眺める夕日は、言葉にならないほど美しい。

翌朝。
出勤前の浜辺さんと一緒に、近くの防波堤へ青物キャスティング。 朝の澄んだ空気の中、静かにルアーを投げ続ける。 そして──突如、水面が割れ、大きなバイト! しかし、惜しくもフッキングが甘く、バラしてしまった。 悔しさは残るが、朝の海に立つだけで心が整う。 そんな一日の始まりでした。

潮のタイミングを見て、ゆっくりと別の磯へ移動。
勾配はそれなりにあるものの、比較的アクセスしやすく、無理なくエントリーできるポイント。 こういう場所は、体力を温存しながらじっくり攻められるのでありがたい。

風が収まり、残ったウネリが磯際にサラシを広げる。
状況は悪くないが、魚からの反応は皆無。 水深のあるポイントで、磯際を回遊しているであろうヒラスズキを狙い、様々なルアーを通すも、バイトすら得られない。
足場は高く、サラシは薄い。 そんな中で選んだのは「sasuke 98 剛力」。 できるだけルアーをサラシの中でステイさせ、魚にしっかり見せることを意識する。少し沖へキャストし、トゥイッチを入れながらサラシへとルアーを送り込み、ほぼトップ的のように 磯際でステイしていると・・・「ばこっ!」と水面が割れ、ヒラスズキがルアーに襲いかかる!
しっかり乗ったのを確認してフッキング。
初夏、コンディションは抜群。 掛けた瞬間から伝わるその力強さ——まさに完全に回復したヒラスズキ。
水面を割ることなく、数度の突っ込みを交わす。
波のタイミングを見計らい、慎重に寄せる。 最後は手前の磯へとズリ上げて、無事ランディング。
銀鱗が陽光にきらめき、厚みのある体高。
この迫力──写真ではなかなか伝わらないのがヒラスズキだ。 実際に手にした瞬間の重み、生命力、すばらしい!
足回りの装備について
夏の暑い季節や、過度な山登りを必要としないポイントでは、私は師匠の八谷さんに習い、「ストッキングウェーダー」スタイルを選びます。 私達が通う地形にもよりますが、まず泳ぎません。もう年齢的にも、無理はしない釣りを心がけています。
愛用しているのは「SIMMS ゴアテックスウェーダー」。 すでに7年間使い続けており、使用頻度はかなり高め。 それでも修理に出したのは一度だけ。比類なき耐久性と、抜群の機動力を誇る一着です。
特に機動力──これは本当に素晴らしい。 ゴアテックス素材なので蒸れもなく、快適性も抜群、しかも細身で体にフィットしタイドプールも歩きやすく、判断を誤り万が一波に押されることがあっても水の抵抗が少なく足を持っていかれにくいなど、 次も迷わず、これを選びます。
(沖磯や青物では、レインスーツに防水ソックスです)
靴は「シマノの渓流用モデル」を愛用。 最も軽量で素材が柔くフィットする、磯の上でもバランスが取りやすく、特に素足感覚を大切にしています。 ソールはフェルト仕様ですが、安価なピンを多数打ち込むことで、様々な磯の形状に対応可能。
以前は硬いソールの磯靴で挑んだこともありましたが、尖った岩の上など特にバランスがとりずらく、長時間の磯歩きでかなり疲労しました。 今のスタイルは、素足感・グリップ・安定感の三拍子が揃っており、安心して釣りに集中できます。(動き回るヒラスズキで実証済で、もちろん沖磯でも抜群です)
*くれぐれもご参考までに
タイドプールで泳がせ、体力の回復待ちます。
そして、再び磯へ。 ジアイは終わったのか──そんな疑念が頭をよぎる中、あらゆるアプローチを試す。 そして、私の中での“最終兵器”──Atoll JJshakuru 22gを投入。 磯際、回収寸前。ギラッと反転、そしてヒット!
まさに、最後の一手が呼び込んだ一尾。
これもまた、よく引く──なんと力強い! 足場が高く、ランディングに苦戦。 だが幸いにも波は穏やかで、103MHのロッドパワーを活かしながら、より安全なポジションへと慎重に移動。 そして、磯にズリ上げ──ランディング成功!
フックをHタイプに変更しておかなければ、フックは伸びてバレていたかもしれない。
一回り良いサイズとなりました。
この迫力──写真では伝えきれないのが本当に惜しい。 素晴らしいヒラスズキだった。 出会えたことに、ただ感謝。
これを最後に帰路に着きました。
体力のなさを痛感しながらも、心は満たされた釣行でした。
GTキャスティングゲームに匹敵する魅力を持つ、ヒラスズキのサラシ打ち── 私にとって、最も好きな釣りのひとつ。
「BlackDimension 103MH」とともに挑んだ再起の時間は、かけがえのないものとなりました。
そして何より、いつも甑の釣りを全力でフォローしてくださる浜辺さん、仲間、宿の方々── この釣りができるのは、皆さんの支えあってこそ。
本当にありがとうございました。
今春リリースした「BlackDimension 103MH」
他魚種も混じる為ヒラスズキゲームでは少々ハードタックルとなり、10ft3inchというやや短めの設計ながら、過度に曲がり込まないため、一歩下がった立ち位置でのファイトが可能で、さらに魚の誘導がスムーズで、レギュラーサイズなら抜き上げも難なくこなせるため、より安全なヒラスズキゲームが楽しめました。
張りが強いロッドにおいて懸念されるハジキやバラシですが、ラインスラッグやリーリング等を調整する事で、対応できているようです。
(ヒラスズキメインのフィールドでは、103mhと比較すると多少オートマチックなblackAddictionシリーズも多用してます)
いつも過酷なフィールドで実釣試験いただいている @hamasuke49 さん @hacchi.8888 さんと共に追求し形にした103mh、そのポテンシャルをご体感頂けたら嬉しいです。